この記事は、2009年から2011年頃まで、趣味のピアノ教室調和講師のかとうだいすけが運営していたホームページ上で掲載していたものです。

2009/01/18

陶芸教室や手芸教室は、教室に行った日にだけ陶芸をやったり手芸をやったりしても、それなりの作品が出来上がります。

カルチャースクールに通う場合は、むしろそれが一般的なのではないでしょうか。

そこで、ピアノ教室も同じようなものと考え、実際にピアノ教室に入ってみたら、全然思っていたようには弾けるようにならなかったという話を聞いたことがあります。

同じカルチャースクールでも、陶芸や手芸とピアノでは何が違うのでしょうか。

陶芸や手芸などでは、材料を用意し、それを道具を使って加工して、作品を作ります。

この点では、ピアノも、材料が目に見えていないだけで、音という材料を使って、演奏という一種の作品を作ります。

ところが、ピアノの場合は、陶芸や手芸とは、作品作りのプロセスが異なります。

陶芸や手芸は、固定された材料があり、それを組み合わせていくことで固定された作品が出来上がります。

固定された作品ですから、後から手を入れることも可能で、そこに先生の手を入れることも可能です。

しかし、ピアノの場合はピアノという道具があるだけで、材料も作品も目には見えず、演奏という作品は、作った先から消えていってしまいます。

演奏を作品とするならば、その材料に当たるのは音ということになりますが、ピアノの音というのは演奏者がピアノの鍵盤を下げると音が鳴るという仕組みから考えてみますと、ピアノでは材料もその場その場で作り出しているということになります。

さらに、この材料もまた、作った先から消えていきます。

このように演奏という作品を作るプロセスは、材料そのものを作り出すと同時に、それがそのまま作品の一部になっている、つまり材料作りと作品作りを同時に進行させているということになります。

あらかじめ音をいくつか用意しておいて、それから好きなだけ時間をかけてそれらの音を加工し作品を作る、ということはDTMによって可能ですが、ピアノに限らず音楽の生演奏では、それは不可能です。

このために、ピアノでは教室以外でも練習の必要性が発生します。

作品を固定することができないという理由により、作品作りのプロセスの方を私たちの体に覚えこませる必要性が生じるのです。

私がピアノ教師になりたての頃だったと記憶していますが、子供の生徒の親御さんから、スイミングは進むのにピアノはちっとも進まないという厳しい意見をいただいたことがありました。

ところが、よくよく話を聞いてみると、スイミングは週に3回もあるとのことで、週に3回も泳いでいれば、体も覚えるわけで、対するピアノはレッスンに来たときしかかばんから楽譜を出さないという状態でしたから、それはスイミングの方が進むだろうなあと思ったことがありました。

毎日5分でもいいからピアノを弾く。

ピアノを進ませるには、もうこれしかないと思います。

一瞬であなたもプロのピアニストのような演奏が可能に!!!

なんて教材や講座があったらいいなあと、20年以上夢を見てきましたが、現実にはそのようなものは存在しませんし、自分で作ろうという努力もしましたが、不可能だとあきらめました。

できるとしたら、音の出ないピアノを用意して、プロのピアニストの演奏をCDか何かで流して、鍵盤の上で指を適当に動かしてもらって、「ハイ。これであなたもプロのピアニストのような演奏ができるようになりました」というくらいではないかと思いますが、これでは詐欺もいいところです。

プロのピアニストの演奏には、その演奏に至るまでに膨大な時間と労力が費やされています。

上記の私の冗談のような形でそれを疑似体験をすることはできても、本当にプロのピアニストのような演奏をしようと思ったら、同じ時間と労力を費やすしかありません。

話が脱線してしまいましたが、陶芸や手芸とピアノをはじめとした音楽演奏の間には、同じカルチャースクールでも、このような違いがあるのです。

※上記の文章は一個人の経験から生まれた感想と、その感想をもとに作成された文章です。客観的でもなければ、絶対正しいでもない、主観的な内容であることをご了承願います。

文章:かとう だいすけ

当ブログは以下のブログランキングに参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村


ピアノランキング