「基礎ができていない!ハノンからやり直し!」
これは、かつて、ピアノの先生の常套句でした。
この常套句が発端なのか、いつの間にかピアノをやっている多数の人々の心の中に、ハノン=基礎というイメージができていったようです。
全音楽譜出版社より出版されている「全訳ハノンピアノ教本(平尾妙子訳註)」の「はじめに」の部分を読んでみましょう。
「ピアノの名手になる60練習曲”という1巻を作りました。」という一文があります。
何と、ハノンはツェルニー30番などと同じ種類の、練習曲集だったのです。
ハノンを開いてみると、そこには音符が延々と立ち並び、ごくわずかの練習上の注意が書かれているのみです。
一部の曲に、手首を動かさないようにしましょうといった説明がある以外には、指はこのようにして動かすとか、このような力の入れ方をするとか、そういった具体的な説明はありません。
ハノンが書いた序文の中には、この練習曲集を弾けばピアノ演奏の基礎が身につきますとは、どこにも書いてありません。
ハノンの序文を読んでみますと、ハノンがこの練習曲集で目的としているのは「指を動きやすくすること」であることがわかります。
指を動きやすくすることで、難しいところをわけもなく弾けるようになりましょうというのが、この練習曲集の目的なのです。

文章:かとう だいすけ

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